映画館で映画を見たくてたまらない周期がやって来て、
久しぶりに週一ペースで映画館に行っています。
楽しい。
友達が見たいーと言っていたのがきっかけで観に行った映画。
ドキュメンタリー。
最初に見た時、「あれこの人たぶん知ってる」と思ったんだけどはっきりとは思い出せず。
映画見てる最中に思い出した。
「ビル・カニンガム&ニューヨーク」に出てた、「私は世界で一番年を取ったティーンエイジャーなの」のおばあちゃんだ!
このドキュメンタリーも大好きで、その映画を見た時の感想はこちら。
キュートな偉人は皆ニューヨークに居るのかと突っ込みたくなってしまうけど、
日本では東京にすべてが集まるように、ニューヨークに彼らが存在するのは当然のことなのかもしれない。
以下、ネタバレあり感想。
↓
「あなたは一生美しくはなれない。けれど、他の人にはないセンスがある」
アイリス・アプフェルさんが若かりし頃、通っていたお店のオーナー(マダム)に言われたそうな。
はっきり言いすぎだろ。
でも、他の人にはないものがある、と言われたことは、彼女が既に持っていた核を確固たるものにしたんだろうと思う。
「美しさなんかいらないわ」
と、言える強さよ。
でも、ビル・カニンガムもそうだったけど、
己のしたいことを知っていて、それに邁進し、突き詰め、更にその先を求めて、
好奇心とユーモアを忘れず生きていく人の姿は、どうしたって美しい。
おばあちゃん、あなたは美しい人だよ。本当に!
彼女のおもちゃ箱みたいな部屋は、もっともっと見せて欲しかったな。
座り心地のよさそうなソファに、部屋中に散らばった大小のぬいぐるみ。
玩具の電車がぴかぴかライトを照らしながら走って、不思議な形をしたランプが部屋の真ん中にぶら下がってる。
棚の上に乱雑に置かれているように見えるアクセサリーや置物や小物。
意味ありげな絵画。
ここはホグワーツにある一室です、って言われても信じるわと思った。
そこに住んでるアイリス・アプフェルも、魔法? 使えるけど、それがどうしたの? みたいな雰囲気がある。
彼女が不意に、あの装飾品をじゃらじゃらさせながら長い裾の民族衣装みたいな上着の内ポケットから
お洒落な小型の杖を取り出して、ひょいと部屋の灯りをつけても驚かないよ。
でも服や装飾品は絶対に自分の手で触れるんだろう。
ブランド物より、4ドルくらいのアクセサリーに胸がときめくのよ、と90を超えて精力的に街に出て、
ハーレムやフリーマーケットなどにもどんどん足を運んで、値切り交渉もバンバンして、
「私は発掘してるの。これは大変な作業なのよ」
という姿には脱帽するしかない。
なにかを注意深く見定めて、心動かされるものを探すって、とんでもなく労力が要ること。
本屋さんで本を探すのだって、疲れてるときには億劫になる。
世界中を巡って、自分の目で見て、触れて、心に響いたものを求め、
なければ欲しいものを自ら生み出す情熱を持った彼女を見ていたら、
ついこの前読んだ音楽の記事で、宇多田ヒカルさんや椎名林檎さんがどれほど古今東西の音楽に触れ、
精通しているか、というのを読んだんだけど、そのことをふと思い出した。
当たり前だと言われるだろうけど、
その道を極める人は、その道について本当に詳しいんだなあ。
「服を見れば、それがどんな時代だったか分かる」
と彼女が言ったけれど、
それはアイリス・アプフェルが被服の歴史を知り、その文化と時代背景とを紐づけて考えることができるから。
「ルールなんてどうでもいいのよ。あっても破るだけだから」
そういう彼女は、きっと誰よりも服飾の基本を知っている。
だからこその説得力と存在感なんだろうね、と映画を見ている間ずっと思ってた。
「時代が私に追いついたのかしら」
なんて言葉、どんな風に生きたら口にできるんだろう。
かっこいいなあ、と震えるばかり。
彼女の生き方に、元気を貰える。
そんな映画。
ついでに、ビル・カニンガムが何度か出てきて、その度にひとりで「ビル!!!」と心の中で叫んでいた。
知ってる人(知人じゃないけど)が思いがけず出ていて嬉しい感じ。
相変わらず素敵な笑顔だった…。
ビル・カニンガムが自分の旦那の誕生日会に来て写真撮ってくれるなんて素敵すぎる。
心に響いたものだけを撮るビル・カニンガムの、心に響く人たち。
他には、
「マネー・ショート 華麗なる大逆転」↓ネタバレ反転
副題に偽りあり。誰も大逆転しないし、ポスターの4人はタッグを組むわけじゃない!!
ウォール街VSアウトロー の煽りで、スカッとする映画だと思い込んで観に行ったよ! スカッとしない!!
ブラピ演じるベンに(間接的に)怒られてしゅんとしたわ。
でもリーマンショックがどうやって起こっていったのかを知るには、いい映画。
その後、ネット上でこれを押さえて観に行くと分かりやすいよ、という金融用語解説を色々見てたら、
とても楽しくて勉強になった。
映画の中でも、分かりやすく例え話を駆使して解説してくれていたので、ちんぷんかんぷんにはならないと思う。
「SHERLOCK 忌まわしき花嫁」
公式が思いっきり楽しんで二次創作しました!
みたいな、楽しい映画だったけど、一見さんには厳しい映画。
ワトソンのシャーロックの心のヒーローっぷりに震えるお話だった。
ええと、これってなんて言えばいいの。
もともと公式が現パロ(現代版パロディ)していたものを原作寄りに寄せたわけだから、
原作パロという意味での原パロ???
ええと、とにかくワトソン本当に男前。
ホームズの兄ちゃんマイクロフトの原作寄りバージョンは視覚的に凄まじかった。
こんなことを書いていたら、
「シャーロック・ホームズとジョン・ワトソンが現地メディアが選んだロンドンのベストカップル第1位に!」
という、
「ん? ちょっとなにを言っているのかよく意味が分かりませんね」
みたいな記事が友達から送られてきて今混乱してます。
ちょっとなにを言っているのかよく意味が分かりませんね。
ええと、次は93歳のシャーロック・ホームズを観に行きたいと思います。
wonder wonderfulの同人誌再版後、一言を下さった皆様ありがとうございます。
再版を喜んで下さったことに、私が嬉しくなっています。
ふたりの幸せを願って下さることにも、感謝ばかりです。
彼らを大事に思って下さって、本当にありがとうございます。
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