例年より二週間近く早い梅雨入りのニュースに、うーんと眉間に思わず皺が寄った先週。
五月最後の日曜日、友人の結婚式が厳島神社で行われるとあって、お天気には敏感になっていたのでした。
が、梅雨入りどころか台風までも接近中の知らせに参列する友人達と半笑い状態。
厳島神社での結婚式、と聞いてまあなんと言いますか、友人一同非常にテンションが上がっておりまして、
可能な人は着物で行こうぜー！と鼻息荒くなっていたわけです。
こちらもうーんと悩んだ末に、成人式のとき以来の振袖、選びましたよ。
「袖、触れ合わせて来い！」
と言われたわけですが、今回誰と（なにと？）一番袖触れ合わせたかって、雨と風ですよ。
吹き荒れる風、ばっさばさとたなびく振り袖、飛びそうになる傘。
「女神さまこれ以上はちょっと勘弁ー！！！」
厳島神社の祭神、宗像三女神様に向かって思わず叫ぶ叫ぶ。
船着き場に行くまでに既に皆で笑いが止まらない状態に。
「駄目だ。オンナ神様たちの嫉妬が強烈すぎる。あの夫婦め、どんだけラブラブなんだ」
宇品という場所から宮島まで、小さな高速艇でびゅーんと渡ったのですが、これがまた遊園地のアトラクションみたいに波の中進んでいくわけです。
「波が高すぎるぜ！」
「ひゃっふー！」
と、明らかに変なテンション。いい年した大人が…とかは言ってはなりません。
学生時代の友人に会えば、気分はあっという間に学生です。
宮島に着き、初めてタクシー捕まえました（←この辺に躊躇いがなくなったのは学生じゃなくなったせいだね）
今回初めて知ったわけですが、宮島にはなんとタクシーは3台しかないそうです。
そうだよね。皆、基本歩くものね。
地元なので、雨の日の厳島に行ったことがなく、今回初めての雨の宮島でした。
これはこれでとても素敵だなというのが正直な感想。
人が少なかったせいもありますし、あとはまあ特殊な状況ということも勿論込みなんですが、
雨の中、海にたたずむ鳥居や、神殿の朱の梁や柱、廊下の向こう、少し影があり、朝の薄い薄い光がぼんやりと漂って、潮騒と雨の音が遠く近くで聞こえるその世界に、束の間ほけっとしてしまいました。
本当に、昔の人たちは美しいものを造ったんだな。
そして今回思いもかけず、結婚式の間本殿内に入ることを許され、式に参列させてもらいました。
お賽銭箱の向こうから参加するつもりでいたので、これもまたどきどきしてしまった。
祝詞と雨の音が混ざり合って心地よく、神主様や巫女様たちの所作に目を奪われっぱなし。
雅楽生演奏もすぐ傍だったので、笙・篳篥・竜笛（たぶんこの三つ）を間近で見聞きすることができました。
友達が「笙は息継ぎしてないように見えたんだけど、どこでしてたか分かった？ 同じ音だったよね」
と言うので、この前「さんすくみ 2巻」を読んだばかりの私には答えるに造作もない問いよ、と
「息を吸っても吐いても同じ音が出るんだって！」思い切り知ったかぶりしてきました。
言いたがりの私をお許しください。
ありがとうございました「さんすくみ」。この漫画、面白いです！（とここで宣伝）
あ、話がずれた。閑話休題。
朱塗りの柱の間を進む白無垢の友人はとても綺麗でした。
紋付き袴の旦那様もかっこよかったのですが、すみません、ここはもう友人にばかり目がいってしまう。
何度見ても、花嫁さんは綺麗だな。
通りすがりの観光客の方々が「まあ、かわいい花嫁さん」と言うのを小耳にはさむたびに
「そうじゃろそうじゃろ、可愛いじゃろ」と胸張りたくなるのは仕方がないことだと思います。
厳島神社での挙式、友人が「皆喜んでくれるかなと思って」と言っていたのですが、
本当に、隅々まで楽しませてもらいました。
この雨と風もすべてまた良い思い出。
友人達と揃えて着物参列、というのも楽しかったですし。
しみじみと、良いお式でした。お幸せに。
神様の島に渡って来たので、私の中のなにか穢れたものも浄化されてますように。
妄想力は穢れに入らないという結論になりましたので、宜しくお願いします。
※例によって例のごとく、披露宴の食事も美味でした。
オードブル盛り合わせにマッシュルームのスープやポットパイのトリュフステーキ（クリームソース煮）、牛フィレステーキなどなど。ポットパイがとっても美味しかったんですよ。人参がハートの形でしたよ！
着物だって関係ないぜ。完食完食！
（ご飯、美味しいといいですねと言って下さった方へ）
コメント
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素敵な結婚式でしたね。見たかったですわ。小説の続き楽しみにしてますのでどうぞ宜しくお願いいたします。
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朔さまとお友達との様子はいつも楽しくあたたかく、ふふふと和ませていただいています。いつぞや阿蘇で結婚祈願をしていたお嬢さんもふくまれてるのかしらと勝手に想像しつつ・・・
うんうん、学生時代の友人と会うと気持ちが返りますよ。（きゃっきゃとはしゃぐ私たちの横にいる子がじきに出会ったあの頃の歳・・・時の流れはおそろしい）
もうひとつ、雨の厳島神社の情景がふっと浮かび、ああ小6の修学旅行で行ったとき雨だったなあと思い出しました。
ウン十年前のことなのに、匂いまでよみがえる気がします。
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わぁ素敵な結婚式！
いいですね、神社での結婚式って
神聖というか、おごそかで、おもむきもあって…
こないだ神戸に行った時、お参りした生田神社で偶然結婚式がされてて…
知らない人なのに、ついついお式をガン見してしまいました
見える限りでは、ほぼ一部始終(笑)
厳島神社には小学校の修学旅行で行きましたが、素敵なところですよね
おぼろげな小学校時代の思い出の中でも、よく覚えている楽しい思い出です
また行きたい！
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初めまして。いつも朔様の小説、ブログを楽しく拝見してます。 どっちも面白いですv
厳島で挙式、ということでついつい初コメントしてしまいます。
厳島神社で挙式素敵でしたか、いいなぁ厳島神社も。
というのも、私自身10月に挙式を控えてまして、厳島神社も候補にあがったんです。
結局高知になったんですが。
お友達にも列席された方にもいい思い出になったでしょうね、おめでとうございます＾＾
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いろんな意味で思い出に残る結婚式になりましたねo(^▽^)o
私の兄も神社で結婚式をしたので控室から本殿（？）に行くまでに外を通ったので参拝に来ていた方々が足を止めて写真を撮ったりしていました☆
後ろから並んで歩いていた私は見てないだろうと思いつつも、勝手に緊張してました(＞＜;)
4月だったので桜は満開、快晴で義姉の白無垢が一段と映えていました(*⌒∇⌒*)
赤ちゃんの名前は今から旦那さんが色々と考えているようです(≧ｍ≦）
女の子がいいらしいですが、最後には
「元気にちゃんと育ってくれればどちらでもいいや」
って言ってます(*^_^*)
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５月２９日観光で宮島に行きました～。
朔さんのご友人かどうかはわかりませんが、厳島神社にいた花嫁さんと花婿さんを思い出しました。
観光でちょうど行き会っただけですが、なんだかうれしい気持ちをおすそわけしていただいたような得した気分になりました。そして、朔さんが近くにいらしたのかもと思うとにやけてしましまいます。
厳島神社で挙式って素敵ですね。お幸せに～
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ゆき様＞はい、とても素敵な結婚式でした。更新滞っており申し訳ありません。
祥子様＞いつぞや阿蘇に共に行ったメンバー全員参加しておりました（笑）学生時代の面々というのは本当にいつでも時間をあっという間に遡らせてくれるものだなと、毎度思います。そして毎度の如く楽しい時間でした。
修学旅行が宮島だったんですか！雨の厳島神社も、素敵でした。そう、あの雨の匂いというのは独特な思い出になりますね。
仁水様＞本当に素敵な結婚式でした！ 教会式とはまた違った雰囲気が溢れていて、神前式もいいなぁとしみじみ。そうなんですよね。厳か、という言葉がぴったりで。
私も結婚式に偶然かち合うと、時間が許す限り見てしまいます。
綺麗ですものね。
厳島神社、定期的に行きたくなる場所のひとつです。船で島に渡るので、小旅行気分になるのもいいんですよね。
揚げもみじまんじゅうを食べ損ねた！ と友人達と話しつつ帰りました（食べることばかり）
針山猫様＞初めまして。いらっしゃいませ。今後もこの調子で行くぞ、と元気を貰いました（笑）
それよりもなによりも、おめでとうございます！
秋のご予定なんですね。とても良い季節ですよね。素敵なことを教えてくださってありがとうございます。厳島も候補だったんですね。私は一度高知の結婚式に参加したことがあるのですが、式の盛大さと卓上にどんと盛られていた豪華なカツオのたたきが忘れられません（笑）
準備は大変だと聞きますが、針山様と旦那様、ご家族、お友達にとって楽しい一日になりますように。改めて、おめでとうございます。
荒川様＞とても思い出に残る式でした。楽しかったです。
見知らぬ人たちから写真を撮られるのは緊張しますね。観光地だったせいで、外国の方々も多くいらっしゃって、あからさまにカメラを向けられて笑顔が引きつりました。素敵な笑顔で対応できたら良かったのに、と今でも少し悔まれます。
青空の下の白無垢もお綺麗だったんでしょうね。
名前、着々と候補が増えていっているんですね。とにもかくにも、荒川様はお体を大事になさってください。
きゆ様＞おおお。もし午前中（10時～13時）ならば、完全にそうです！
もしかしたらすれ違ったりしていたのかもしれませんね。すごい偶然！
ちょっと嬉しくなってしまいますね。
友人へのお祝いのお言葉もありがとうございます。伝えます～。