レオナルド・ディカプリオが遂にオスカーを受賞して、自分で思っていた以上に
「よかったー!」
という気持ちがわいた。
最近の出演作品、楽しそうだけど内容がエグそうで気持ちが疲れそう、と敬遠気味だったんだけど、
それでもすごく嬉しい気持ちになったから、やっぱり好きなんだなあ。
ジョニー・デップ目当てで借りたギルバート・グレイプが私のディカプリオ初見映画でしたが、
知的障害を持つ弟役で、あの子演技してるの? 本当に? と驚いたのを今も覚えてる。
(ジョニー・デップの、悩み葛藤する若者という素直な役どころもすごく好き)
あんまり驚いたので、「ボーイズ・ライフ」を借りてきて、それからの数年は映画が封切られる度に観に行った。
「太陽と月に背いて」(ヒステリックで、狂気的で、残酷なまでに煌びやかな才能を持つランボー。
僕の可愛い金色の猫、とヴェルレーヌがランボーに言ったと思ってたんだけど、今ちょっと調べてみても出てこないな。
勘違いか。でも、(記憶が間違ってないなら)まさしくこの時のディカプリオは「可愛い金色の猫」も納得)
「ロミオ+ジュリエット」(美しかった…。歯を抜いた後、試写会行ったら、あまりの彼の美しさに痛みが飛んだ思い出)
「マイ・ルーム」「タイタニック」「仮面の男」(私これ三銃士込みで大好きなのに、ラズベリー賞とか許すまじ)「キャッチミーイフユーキャン」…きりがないな。
タイタニック以降、悪役とかマッチョ系とか、とにかくイケメンイメージから離れて行こうとする印象が強くて、
あくの強いお話にガンガン出てる気がするけど、また「マイ・ルーム」みたいな、ほっとするようなお話にも出て欲しいな。
今の彼が、どんな風に演じるのか見てみたい。
おめでとうございます。
2月3月は見たい映画が多い。
1月2月に見た映画の記録。
スター・ウォーズ/フォースの覚醒 公式HP
パディントン 公式HP
オデッセイ 公式HP
キャロル 公式HP
信長協奏曲 公式HP
スティーブ・ジョブズ 公式HP
以下 ネタバレありまくり雑感です。
↓
SW/フォースの覚醒
開始15分でBB8に恋をするよ、と友人に言われて開始15分は言いすぎだろ、と笑いつつ、
確かに開始15分で落ちました。
R2-D2の可愛さには敵わないと思ってたんですけど、別の可愛さですよね。
すみれもたんぽぽもチューリップも皆綺麗で可愛いくて並び立ってるもんね。
BB8の動くフィギュアを調べたら結構お高くてがっかりしたくらいには好き。
とにもかくにも、これはカイロ・レンのための映画だと思った。
ダースベイダーに憧れるレンくんに、なんでじゃ!!! と場面ごとに突っ込みを入れたい衝動に駆られつつ、
これ、彼がダークサイドに落ちて行きたいのに落ちていけないところを見る映画になるんだろうかと、
居たたまれない気持ちになってる。
レンくんの同僚がまたいい感じに悪そうで、レンくんのことあんまり苛めないであげてね、という気分でいっぱい。
レンくん、はよレイちゃんの手を取りなよ。ね、悪いこと言わないから。
でも今後彼がいかなる覚醒を見ても、お父さんをぐさっとしたことを私は忘れない。
忘れないからね…!
チューバッカの咆哮を聞け!!
レジスタンスのポーが、途中から銀英伝のポプランに見えて仕方なくて、コーネフ探したよね。
泣く(映画と関係ない)。
今回はハン・ソロ船長やチューバッカにレイア姫、ルーク・スカイウォーカーを懐かしむ印象の強い映画だったな。
パディントン
「007 スペクター」のQこと、ベン・ウィショー氏がパディントンの中の人をやると聞いて、堪らず観に行った。
だって、「けむくじゃらな生き物の声を見事に体現」って紹介、どういうこと? と思うじゃないですか。
そう、それでパディントンはベン・ウィショーの声が目当てで映画を観に行ったのに、
結局お話に夢中になってあっという間に時間が過ぎてしまった。
映画全体の色遣いがカラフルで、絵本の世界みたい。
真っ直ぐ、本当に直球のファミリームービー。
パディントンはとても礼儀の正しい子熊で、イギリスの人々はとてもクールな印象だけど、
駅のホームに熊が立っていても、その子熊が喋っても、特に驚いたりしないのねと。
パディントンの真っ直ぐな気持ち、礼儀正しさ、やさしさ。
困難の中にあっても決してぶれないその軸に、人ははっとさせられるんだと思う。
パディントンを一時的に受け入れるブラウン一家はそれぞれ個性的なんだけど、
やっぱりダントツに素敵なのはリスク管理命のブラウン氏で、
かつてはワイルドだったパパの活躍っぷりには笑顔にならずにはいられない。
そんな心のあったまるお話でありながら、イギリス映画すごい(笑)となるのは、
悪役にニコール・キッドマンを据えて、ミッションインポッシブルネタをがんがん突っ込んでくるところ。
またニコール・キッドマンが素敵に魅力的な悪役なんだ。
パディントンが何度かピンチに陥る場面で、観客から思わず「ああ!!」と悲鳴が漏れるほど
ぐんと引き込まれる映画だったので、機会があればぜひ。
叫んだおねーさんは恥ずかしそうだったけど、
あの時はきっと皆同じ気持ちだったから、皆を代表して叫んでくれたんだと思ってる。
パディントンの声がけむくじゃらそうな声かどうかは、私には分からなかったんだけど、
誠実でやさしそうだっていうのはとてもよく分かった。
オデッセイ
映画館で予告を見た時には、アメリカは本当に宇宙が好きだな、くらいの感想で特に映画館に観に行こうとは思わなかった。
でも、流れてくる感想にやたら
「じゃがいもが尊い」
「じゃがいもありがとう」
「じゃがいも」
と、じゃがいもが溢れ、一体火星でなにが? という気分になって観に行くことにした。
火星にひとり取り残されて、70億人が彼の帰りを待っているはずのお話なのに、感想がじゃがいもってなんで、と。
勝手に予想していたシリアス路線を全力で外れた超ポジディブ映画だった。
なにが印象的って、まあ、じゃがいももそうなんだけど、音楽。
音楽の力って偉大なんだなあと、普段音楽がなくても生きていけるタイプの私が思ったわけです。
船長が残して行ったという明るいディスコソングがバックでがんがん流れる、というか、主人公マーク・ワトニーが流すお陰で、
悲壮感が半減している。
もちろん、凄まじい孤独感に苛まされる様子もあるんだけど、それ以上にワトニーの
「こんなところで死んでたまるか」
の気持ちが強固で、持っている知識総動員して「生きてやる」方向にわしわし進んでいこうとする空気に引っ張られる。
この映画観て感じたのは、知識って大事なんだなという非常に当たり前のことでした。
体力も、ポジティブな思考も絶対必要なんだけど、窮地を脱する確率をあげていくのは確実に知識だった。
お陰で火星でジャガイモ掘りできたりするようになるわけで。
地球との交信が復活してからの、頭の良い人たちが更にその知恵を絞りまくって一歩ずつ問題をクリアしていく疾走感も爽快。
そして流れる軽妙なディスコソング!
ワトニーさんの体が最初むっきむきだったのに、どんどん痩せて、最後には骨の浮いた体になってしまうことで
生活の過酷さと時の経過を感じさせる演出、必要だったとは言えあそこまで痩せてみせたマット・デイモンに脱帽。
鈴木亮平さんが脳裏を過ぎったよね。
人ってあんなにムキったり痩せたりしていいの?
ともかく、オデッセイは他人様の感想を見ることがなければ映画館に行かなかったと思うので、興味を引く感想の数々に感謝です。
会社で話したら、普段映画に行かない後輩が、楽しかった!と感想言ってきたので、内心ガッツポーズ。
キャロル
試写会会場の前をたまたま通りがかって、看板を見て、興味を持った映画。
前知識ゼロで映画を観に行って、圧倒された。
なににって、うまく言葉にできなくて感想どう書いたら伝わるのか結構長い間考えていたんだけど、
最後の場面、キャロルの表情に足元からびりびりびり、と頭まで痺れるような感覚がして、
幸せというよりは、祝福のような、喜びのあったかい気持ちが胸のどっと迫ってきて、でもキャロルの目から目が離せない。
「目で語る」をこれでもかと繰り出してくる映画だった。
フォトグラファー志望のテレーズと、富と美貌、可愛い6歳になる娘を持ちながら、夫との不協和音に離婚を決意しているキャロル。
ある日出会ったふたりが互いに惹かれていく様を描いた話で、
これを当たり前のラブストーリーとして見ることができたのは、
恋人に結婚を迫られているテレーズが、キャロルに惹かれていく際、相手が女性だからと葛藤する様がないから。
ただ、気になった。惹かれている。好きになった。
その気持ちに純粋に従って身を委ねて、人が人を好きになっただけ、というそのことが描かれている。
もちろん、世間はそれを許さない。
けれどふたりの間にその葛藤はない。
物を言わず感情を伝える静かな映画。
雨が降って曇る車の窓ガラスの向こうに映るテレーズやキャロルの顔を切り取る。
ふたりで旅に出るトンネルは本当に現実から夢の世界へ通じているような錯覚を起こさせ、トンネルの出口には光が溢れてその先が眩しくて見えない。
こんなことを書いておいてなんなんですが、ベッドシーン、キャロルことケイト・ブランシェットさんの背中がものすごく頼りがいがあって、すごいなと思いました。
女性ふたりの織りなす妖しくまろやかな世界なんですが、一瞬ね、一瞬だけ姐さんの背中に意識が持って行かれるというか。
スパダリ、と一部感想が出ているそうなんですが、確かにと思わされるほどの包容力。
(スパダリ、って長い間バリスタの仲間だと思っていたんですが、まさかのスーパーダーリン略語に驚いた記憶)
彼女のセリフで、うわあああと思ったのは、
「あなたが幸せになるためならどんなことでもするわ」
と、一度は手を離したテレーズに向けて伝えるところ。
彼女が確かにそうするだろう、とその時点でなんの疑いもなく思える。
つまりスパダリだよ、と友達に言われて、ええ? と思いつつ、そ、そうか…と妙に納得してしまった。
ふたりとも自分の気持ちと生き方に正直であろうとしてもがいて、だから幸せになってほしいって思うんだろうな。
最後の場面、もう一回観たい。
またびりびりくるかな。キャロルの目にゆっくりと色が灯る。
信長協奏曲
映画公開を前に、ドラマの再放送があって一気見。
ドラマ放送中に見ろ見ろ言われていたんだけど、これ、リアルタイムで見ればよかったあああとなりました。
よくなる。
山田孝之さんがめちゃくちゃいい。
秀吉と光秀の場面が映画の中で一番好き。
このお話の暗部を一手に引き受けて、
あの涙が、自分の悲願が果たされたことへのものなのか、
それとも自分のしている事への虚しさから溢れたものなのか、
表情も目力も怖いのに目が離せなくて、痛々しくて、辛かった。
ああでもあの場面が本当に好きだ。
帰蝶は最後まで帰蝶で、男の決断を笑って見送る素敵な(素晴らしくて適わない!)女性でした。
だから帰蝶がうええええ、と子供みたいな泣き方すると堪らない気持ちになるよね。
三郎と帰蝶は、最後の最後までキスのひとつもまともにしないままのふたりで、爽やかで、
でも誰よりも深く結びついている感じが好きでした。
あああ三郎、帰蝶のことちゃんと幸せにして! と思ったけど、帰蝶はあれでしっかり幸せを感じてるんだろうなあ。
恒ちゃんにも泣かされた。恒ちゃんは、何度でも口に出して呼びたい名前。恒ちゃん! 恒ちゃあああん!!
恒ちゃんは最後まできっちり、三郎を守ったねえ。
三郎の呼ぶ「恒ちゃん」が大好きでした。
あと、前田犬千代くんが思いの外格好良くて可愛い若者だったね。新しい役者さんなんかな。
短期間でドラマから映画まで駆け抜けて、疲れたけど、とても楽しかった!
今度友達から原作を借りる。
スティーブ・ジョブズ
こちらも原作未読。
前情報一切無しで観に行って、こんな人だったんか…! と衝撃を受けて帰宅。
一緒に働いたら心が折れそう。
最初の感想。
とても頭がよくて、先が見通せる。それ故に求めるもののハードルが異様に高い。
自分が常に考え、努力してきたから、同じだけのものを周囲に求めて、返されなければ追い詰めて、
脅しても、極限状態からでも、相手から欲しい物を引きずり出そうとする。
頭いい人って変人だと言うけど、本当にそんな感じの印象。
いやいや、この人について行くの無理でしょ。
むちゃくちゃだよ、って離れそうになる気持ちを引き留めるのが、
ジョブズの認知していない娘リサの存在。
自身も養子だったジョブズが娘との距離の取り方を掴みかね、途方に暮れ、苛立ち、動けなくなる姿は、
非常に「普通の人」らしい。
自分の中に確固たるビジョンを持ち、それを通すために不必要なものは切り捨て、
友の忠告も助言もはね除け、手ひどく傷つけもする。
ついていけなくて、ジョブズの元を去った人も多いんだろう。
それでも、彼の元に残り、闘い続けた人たちは、ジョブズの持つ才能に抗いがたい引力を感じていたんだろうか。
ジョブズが見ていた未来は、彼が信念を曲げず、その彼を支え続けた人たちがいたからこそ、今に顕現している。
娘リサと喧嘩をして仲直りする場面。
どんな時でも商品発表は定刻開始のジョブズが、娘と話をするために初めて時間を捨てて、
その場から立ち去ろうとする彼女に言う。
大きなウォークマンとヘッドホンで音楽を聞く彼女に。
「それを小さくしてやる。100曲、いや、500曲、1000曲だってポケットの中に入れてやる」
帰り道、スマホに入った曲を眺めながら、彼の言葉を思い出した。
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