10月がもう終わろうとしているなんて、とカレンダー見ながら愕然となります。
日記じゃなくて月記ですね。
この二ヶ月、あまりにも単調な日々過ぎて記憶が曖昧なのですが、
ミュージカル「レ・ミゼラブル」と「ロミオ&ジュリエット」を観に行ったことが燦然と輝いています。
あと奈良! 奈良観光!
奈良はがっつり観光~というのをしたことがなかったので、今回バスツアーに申し込んで西の京巡りなどがっつりしてみました。
一日社寺仏閣巡っていると、年代ごとに仏像の顔つきが違うことがさすがに分かるもんだなと。
しかし、四天王の中で多聞天のカレー好きそうな感じは凄いなと思いました。
広目天が四人のまとめ役、眉間に皺キャラかなーと個人的には感じたわけですが、どうなんだろ。
心に残ったのは、皆それぞれが天の邪鬼を踏みつけている中、増長天が仰向けになった天の邪鬼を踏みつけているのに気付いた友人が放った、
「いくら成敗するって言ってもお腹を踏みつけるなんて、増長天増長しすぎじゃ」
という言葉です。
今までそんなもんだと気にも止めていなかったので、はっとしました。
あとその時咄嗟に突っ込めなかったわけですが、あれから2ヶ月くらい経つのに未だもって定期的にじわじわきます。
法隆寺の百済観音様が中性的な美男でとても好きなのですが、数年ぶりに拝見しても変わらぬ美しさでした。
めっちゃすらっとされてるんですよね。
その法隆寺なんですが、江戸時代に屋根を支える補強のためにと後付けされた竜の支柱についてしばし考えました。当時の人達はどう思ってたんだろうな。
「力強くてマジかっこいい!」派と「悪趣味な!」派に別れたんだろうなー。
そういうのは、現代でもちょくちょく似たようなことあるよなと思いながら。
春日大社では、神主さんによる簡易ツアーのようなものが行われていて参加。
3000基以上が奉納されている灯籠に対する説明などを受けました。
かつて毎晩灯籠に火を入れていたとのことですが、それだけで一仕事だったんだろうな。
寄進が油料だったりすることの意味を深く把握。そりゃかかるわ。
大河の影響などで、直江兼続が寄進したとされる灯籠が目立つところに飾られていました。
「テレビでよく名が出るようになって、そう言えばあの人から寄進あったよな、と表に出すことにしました」
って(笑
まだまだ色んな方の灯篭が日の目を見ずに眠っているんだろうな。
灯籠には願いごとと名前と奉納した日付が書かれていて、それを読んでいくのも結構面白かったり。
ツアー終わって個人的に質問があれば受け付けますよーと仰って下さったので、そのまま質問会に雪崩れ込んで、
結局ツアー30分、ご厚意による質問会60分、みたいになってしまいました。
神社関係にめちゃ詳しそうな、突っ込んだ質問される強面のおじさんがいらっしゃったり、
ゆるふわ森ガールみたいな女の子がいたり、ツアーの面々も面白かったな。
春日大社も20年に一度の遷宮らしく、遷宮に使う木は自分達の山で確保してるんですかと訊いたら、今は全部国が管理しているとのこと。
土地の傾斜に合わせて作られた回廊の木組みなどはとても複雑で今の技術でも難しく、遷宮の際にその筋の方々がわざわざ調べに来られたりするそうです。
昔の話を伺っているとやたらと興福寺からの口入れというか横やりエピソードが多く、寺と神社なのにどうしてそんなことに、との質問が。
詳細は省きますが、大雑把には藤原家繋がりということらしく、両方とも藤原家が多大な影響力を持っていたので、なにかあると興福寺が春日大社を支援したり、駄目出ししたり、そういうことが行われていたらしいです。大昔に。
それから、今まで奈良の南都銀行という名前にいまいちぴんと来ていなかったわけですが、
今回「京都に遷都されてからも、人々は奈良を南の都と呼び、非常に尊んだわけです」のお言葉でやっと合点がいきました。
今更か! と言わないで下さい。すみません。本当に全然気付いてなかったので目から鱗でした。すっきり。
中をぐるりと拝観していて面白かったのは、奥に風の神様が祀られている社にエアコンのダイ○ンさんが寄進されていたことです。雷の神様のとこには電力会社さんとか。
おおお! 風の神様! なるほどね~と妙に感動してしまいました。
そう、それで興福寺ではあの全国行脚された阿修羅様を拝んできました。
あそこでも中で警備兼解説で立たれている方が凄まじく色々お話を聞かせて下さって勉強になりました。
とりあえず、お釈迦様がお迎えに来られた時の印を結んでいる指で、天国地獄行きが一発で分かるので、
地獄行きの印ならばお断りするようにとのことでした。
お迎え来たときにそんな洞察力と元気があるかな……あることを願おう。
九品来迎印というやつですね。
ブッダの十人のお弟子さんの像についても説明して下さったんですが、一番盛り上がったのは、
「トップ2は幼馴染」
これでした。
お弟子さんの像はもう年老いてからのお顔立ちだったんですが、脳内で、切磋琢磨してブッダ様のトップ2に上りつめる幼馴染(好敵手と書いてともと読む、みたいなの)を想像するのは自由です。
しかし、興福寺のショップに売っていた影絵しおりシリーズの迦楼羅天様が、肌がざわっとなるかっこよさで5分くらい購入を迷いました。
しおり、なんだかんだと色々持っている癖に、結局一番使っているのがバスカード使い切ったやつとか、ひどいときにはレシートを愛用していたりして、そんな自分はあまりにしおり各氏に対して不誠実だと認識しているため、諦めました。友人は阿修羅像様のスタンプを購入。これ、かわいい。手紙の最後にぽんとこの阿修羅像様いらっしゃったら、元気でそう!
奈良が今後全国に展開していきたいというお米、「ひのひかり」を頂きましたが、こしひかりとかよりも米粒が長いのかな。ほくほく美味しかったです。茶粥も食べてきました!
ツアーは時間制限があるので好きなものを好きなだけ、というのは難しいですが、やはり移動時間的にはメリットが大きいなということが今回よく分かりました。
ひとり旅の方と話すのも楽しかったし、また利用したいな。
奈良の寺社仏閣はどこも敷地が広かったです。
舞台は、ずっと楽しみにしていたふたつ。
ほぼ自分覚書用ですが、観劇感想。
ネタばれ考慮してませんので、お気をつけください。
レ・ミゼラブル 新演出!
バルジャンが獣のようなバルジャン(福井さん)。
これまで観て来たバルジャンは監獄に入れられて心が疲れ果てて、絶望の果てに人として大事なものを見失いかけた、けれど根っこには善良な部分が残った紳士バルジャンだったんだなと。
今回のバルジャンは、心から光が消えうせて憎悪の権化、獣と化したバルジャンで、その野獣っぷりに慄きました。
ジャベール警部がバルジャンを追い詰めようとした時に
「やめろ! お前の手に負える相手じゃない!」
と叫びたい気持ちになったの初めてでした。なんかこれまではジャベールの偏執的な怖さがバルジャンを軽く上回っていて、バルジャン逃げてー! な気分だったんですが。
バルジャンが「俺に勝てると思うな」みたいに言うんですが、本当にその通りだよ。
最後までジャベールが可哀想だった。そう、ジャベールは苦悩するジャベールで新鮮だった。
コゼットはこれまでの夢見る守られ系少女から、押せ押せになっていましたが、あのはっきりした意思表示は好きかも。
マリウス(山崎くん)は甘かったな-! びっくりするくらい甘かった! ひゃーとなりました。
学生好きには美味しい新演出と聞いてはいたんですが、本当に彼らのきゃっきゃうふふ演出に号泣でした。
コンブフェールとクールフェラックがアンジョ寄りで、フイイがマリウスに「行け、反撃しろ!」とけしかけるし、ガブローシュ(せいしろう君)とグランテールはなにかと一緒にいるし。
前振りのきゃっきゃが煌めき煌めきしていたが故に、後の展開とマリウスがひとりになってからの演出にこれどうやって耐えたらいいんだとね。
民衆の歌に泣き、バリケード場面の演出に泣き、マリウスソロの背後で皆が持つ火が一斉に消える演出に泣き、最期に笑って出てくる皆に泣き。
個人的には本当に大変だった。
同じ内容のものの演出をがらりと変える、ということの大変さはとても想像が追いつかないのですが、
やはり印象が変わり、視点が変わり、各人の持つ芯もまた変わって見える新鮮さに感動しました。
変えるって、エネルギーのいることですよね。
これからまたどんどんこの演出を軸に進化していくんだなと思うと、次の観劇をもう楽しみにしてしまいます。
いつ観られるかな~。
ロミオ&ジュリエット
城田君のロミオ回を見たわけですが、登場した瞬間にリアル王子様過ぎてどうしたらいいか分からず苦笑してしまいました。周囲のオペラグラス装着率の高さよ(笑
足が長くてなにやってても持て余し気味に見えたな。
甘ったれた感じがすごくよく出ていたロミオで、踊らされていると思いつつ、もう全力で手のひらの上で踊らされてきました。
あの体で膝抱えて小さくなってめそめそするとか、あざといよ。あざとくてもいいよ!
ジュリエットは清水くるみさんという可愛くて小さい女の子で、城田君ロミオと並ぶと頭二つ分くらい違って見える(大袈裟だけど)。見上げるとはこういうことか、みたいな。
ロミオと対比すると、夢見がちでも芯のしっかりした女の子! という感じで本当に可愛かったな。
ティボルトには切ない感じの味付けがふんだんにされていて、やめてくれとなりました。
大人達の争いに勝手に巻き込まれて憎しみの気持ちを植え付けられてきたけど、本当の俺はそんなんじゃない。
ずっとジュリエットのこと好きだったんだ、とかそういうの。
切なくなって応援したくなるからそういうのやめて……。
ロミオとジュリエットだけを応援するのにめちゃ後ろ髪引かれる存在でした。出番は少なくても存在感は抜群。
キャピュレットとモンタギューの面々の衣装、対決ダンスシーンは目が足りなくて困ります。
ロミオの親友たち、ベンボーリオとマーキューシオがそれぞれ良い性格で、ロミオ挟んでイエー! と遊んでるところがもう、本当にずっとこういうのだけ見てたいわ……と。
基本的にアンハッピーエンドが苦手なので、先を知っているだけに余計にきます。
イっちゃってる感じのマーキューシオが魅力的だったな。ベンボーリオ役の尾上松也さんの声は伸びやかで聞き心地がいいなと思いました。
それでこのロミオ&ジュリエットの要とも言えるのが「死」という存在なんでしょうけど、
全編通して彼らの傍らに在る「死」が具現化されていて、背に大きな十字を背負った「死」が声もなく近付き、触れ、人々に恐怖を喚起させ、離れ、またひっそりと近付き、とする様が神秘的で美しかったです。
人の体って綺麗なんだと、ふと思いました。
神父さん、乳母や、両家の両親、脇を固める面々の安心感が半端なくて、まさかジュリエットパパに泣かされるとは思ってなかったので不意打ちでした。
乳母やさんはもう途中から出てくるだけで面白おかしい存在に。
そう言えば最初の方で、
「お前はほんっとおおおに大きくなったな!」
と城田ロミオを足元から舐めるように背中逸らして見上げた神父さんに、
「せやろ~?」
と返すロミオがいました。
関西バージョンアドリブだったみたいですね。
通えばもっと色々気付けただろうにな~。残念。
だらだらと書き連ねましたが、ここまで読んで下さった皆様にはお付き合いありがとうございました!
一気に寒くなってきてますね。
風邪が流行っているようなので、皆様お気をつけて。
ここのところ様々な情報に疎くなっている私ですが、つい昨日知ったんです!
天地明察番外編が連載されている!!!
リンク貼ろうかと思ったんですが、サイトリンクは規約があるみたいなのでお手数ですが、検索してみてください。
JTの「ちょっと一服ひろば」HP
「ちょっと一服ノベルズ」→「とある広場で、あの人と」
で連載中だそうです。
あああこんな楽しそうなことが知らない間に始まっていたんだとわなわなしました。
でも連載中に気付けたので良かった!
コメント
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こんばんは!
朔さんの10月、ほぼ同じ経験をした私ですので(笑)、
とても楽しく読ませていただきました!
奈良の仏様、ほんとに様々なお顔や雰囲気や背景がありますね。
私の場合、知識は全然なくて、とにかく自分の気持ちに響く仏様の前で立ち止まることが多いのですが、時々自分でも思ってもみなかった仏様に心惹かれることがあります。
いつか機会があったら、朔さんと奈良めぐりもしてみたいですv
「レ・ミゼラブル」のバルジャンはほんとに強かったですね!
新演出でがらっと変わった部分もあり、変わらない部分もあり・・・私もまた観れる日がとても楽しみです。
そしてロミジュリ!
お薦めした身として、楽しんでいただけたようでほんとに良かったv
というか、朔さんとお話したいー!!!(笑)
この演目、キャストを変えながら長く上演されると思いますので、また機会がありましたら是非こちらもご一緒してくださいね。
今度は絶対そちらまで遠征いたします!
11月になって夜は冷え込むようになりましたね。
お体に気をつけて、もろもろ頑張ってください!
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恭穂さん>こんばんは!
奈良の仏様、続け様に様々な寺社仏閣を拝観することがなかったので、本当に面白い発見がいっぱいでした。
知識も本で読んだとか、聞いたことがある、程度のものですが顔や体つきの好みなどを楽しむ分にはなんの問題もありませんね(笑
どの寺社も敷地が広くて、土地が使い放題だった時代を思いました。
ロミジュリは惜しくも一度しか観ることができなかったので、今後の上演を待ちたいと思います。
お薦めして下さってありがとうございました。
こちらこそ、ぜひよろしくお願いします。
書き込み頂いた頃からほぼ一ヶ月、もう冬の気温ですね。
風邪などひかれませんよう、お互いに気をつけましょうね。
もろもろ頑張ります!!