社員旅行で沖縄に行ってきたのですが、連日曇り空で、青い空! 青い海! の景色はついに帰る日まで見ること叶わず。
残念だったけど、ガンガラーの谷に行くことができたので満足。
小雨がぱらつくお天気だったのでカッパを着用してのツアー参加だったんですが、
谷よりは森の中の探検、といった印象。
出発地点に洞窟カフェがあって、鍾乳洞をそのままオープンカフェにしてありました。
天井から垂れ下がる鍾乳石から水滴が一定間隔で落ちてきて、
各テーブルに設置されたパラソルに落ちる度にぽた、ぽた、と音がする。
トトロみたいだなあとその音をぼんやり聞きながら、入口の方を見ると、
鍾乳石の垂れ下がる不思議な形をした入口の向こうに緑と光が差し込む景色があって、
濃く土と葉の香りが漂ってきて、そこにいるだけでも静かなような、穏やかなような、そんな空気に満ちていました。
パーティーやライブも同じ場所で開かれるみたい。
夜、ここで歌を聞くのも、なかなか神秘的な雰囲気になりそう。
昔、栃木の大谷石採石場に行った時のことを少し思い出しました。
いよいよツアーが始まってガンガラーの谷に入っていくと、道は舗装されていて歩きやすい。
雨のせいか、草木の緑がつやつやしていて、色鮮やか。
葉の匂いがむっとするくらい濃く香る中を歩いていくのは気持ちがいい。
かつては大きな鍾乳洞だったものが、その天井が崩れて谷になり、今の森の形になったということ。
途中、イナグ洞、イキガ洞という洞窟を見学。
昔から、地元の方たちが子宝を願う神聖な場所。
イナグは女性、イキガは男性を意味する。
イナグ洞は上から中を覗かせてもらったけれど、中には入れない。
女性の胸と臀部の形をした鍾乳石が中にぶら下がっているとのこと。
イキガ洞のご神体はもちろん男性のシンボルの形をした鍾乳石。
写真を撮ってみたら、想像していた以上にリアルでモザイクが要りそうな写真になってしまって、
まだ旅行から帰ってきて誰にもカメラを見せられていない。
昔行った遠野のコンセイサマも、ご神体がもろに男性のシンボルで、
子供を望む女性はその周辺に転がっているタワシで祈りながらご神体を擦ると聞いて生々しいな、と衝撃を受けた覚えがある。
でも、人が自らの根源的なものへ信仰心を抱くというのは、ごくシンプルで当然のことなんだなと、今回改めて思ったのでした。
ここの洞窟に入る時、ランタンを手渡されたのが、探検ぽくてすごくテンションあがりました。
そこを出てトンネルを抜けると、出迎えてくれたのは大きなガジュマロの木。
大主と書いて、ウフシュ。
大主ガジュマロは150歳。
狭く暗いトンネルを抜けた先に、空を覆うほど大きく腕を広げ、その枝から細く長いもじゃもじゃとした根がいくつも垂れ下がった大きなガジュマロが聳え立っている。
地に向かって真っすぐ伸びる根がガジュマロをより大きく見せて、こちらの行く手を塞いでいるようにも見える。
思わず声が出そうな迫力でした。
大きな木というのは、やはりなにかしら力を秘めているような気がするな。
正直、あの長い長い根は、近づくとしゅるしゅる動いて絡め捕られそうな気がして怖いんですけど。
大主、と呼ばれる理由がよく分かる偉容でした。
1時間半のツアーで、ずっと歩いて回ると書いてあったので、
運動不足の今日この頃、ちゃんとついていけるかなと心配してたんですが、
道が舗装されていたせいもあってあっという間の90分でした。
沖縄に行って、緑に囲まれるのもいいなと思いました。
次に行く機会があれば、斎場御獄に行ってみたい。
久高島に渡った人たちが、すごくいい場所だったと言っていたので。
また行きたいな~。
いい加減、タイトルに沿った記事を書こうと思います。
ここ2週間くらいの内に、「キングスマン」と「マイ・インターン」を観たんです。
このふたつの映画がリンクする点は欠片もないんですが、敢えて言うならスーツです。スーツ!
コリン・ファースとロバート・デ・ニーロのスーツ姿を堪能するだけでも両者を観る価値があると思います。はい。
皆スーツに還るといい。
以下、映画のネタバレあり感想になります。
↓
キングスマンは紳士しか入ることができないスパイ倶楽部です。簡単に言うと。
――マナーが、作るんだ、人間を。
この決め台詞でまあずるずるいきましたよね、映画館の椅子の上で。
ひえーーかっこいいいいい!
キングスマンは途中、ぽかーんとする箇所があるんですが、とにかくもう、楽しめと。
メガネ+スーツ+中年+紳士と、こう「萌えて燃えろよ」要素がぎゅぎゅっと詰め込まれていて、
出てくる紳士出てくる紳士、皆それぞれに味があって当然スーツ+メガネなんですよ。なんなんだこれ。
コリン・ファースのアクションシーン、きれっきれ。
グロイの苦手なんですが、それでも見てしまう。薄目開けて見続けたよ。
コリン・ファース、じゃなくてハリーさんが育てるエグジー青年が前半と後半でどんどん成長していく様が楽しい。
紳士御用達グッズの数々も面白くて、私はあの傘が欲しいなあ。あと指輪。
ブラックユーモアたっぷりで、適度に下品で、そして紳士。スーツ。紳士!スーツ!
今年一番汚い花火が画面を埋め尽くした時には唖然としましたが、悪役も思い切りが良く、嫌いになりきれない感じがいい。
コリン・ファース本当にすごいな…。あのアクションシーンだけ何度も見たい。
エンドロールのお母様への謝辞も良かったな。突っ込みどころ満載だよ!
既に続編製作が決定しているそうなので、今から楽しみに待ちたいと思います。
そしてがらりと趣向を変えての「マイ・インターン」。
ジュールズ(アン・ハサウェイ)の会社に、シニア雇用枠で雇われた70歳のインターン、ベン(ロバート・デ・ニーロ)。
成功した会社、彼女のために主夫の道を選んでくれた夫、愛らしい娘、彼らと暮らす素敵な家。
すべてを持っているように見える彼女には、けれどそれを維持していくために犠牲にしてきたものがあり、
孤独や悩みや不安がある。
ベンは退職後、妻を亡くして、ひとりの時間を束の間楽しんだけれど、やはりその時間を持て余して、誰かに必要とされる人間でありたいとインターンへ応募する。
謙虚で誠実な人なんですよ、このベンが。
ファッションサイトを運営する若者ばかりの会社で彼が受け入れられたのは、
自分の子供くらいの同僚たちに対して常に丁寧で、やさしい視線を持ち続けたからだと思う。
経験値は、周囲に居る誰よりも高い。けれどそれをひけらかすこともしない。
知らないこと、分からないことは素直に聞く。
それでいて、若者を見守る視線は常にあって、彼らが悩みを抱えていれば鷹揚に受け入れてくれるし、
間違いを犯しても事情が分かれば許してくれる。
まさに年の功、の包容力。
そんな風に年を取っていけるかな。
出社日に同期の若者との対比の場面があって、
与えられたデスクについた彼らがそれぞれの鞄からデスクの上に必要なものを出していく。
カジュアルな服装が好まれる職場で、
Tシャツにチェックのブラウス、ジーンズを合わせた青年は、アイフォン、アイポッド、イヤホンetcを机の上へ。
その隣、スーツ姿のベンは、年代を感じさせる革のスーツケースを開き、飴色の手帳、万年筆、古い電卓を机の上へセッティング。
この場面、震えるほどかっこいい。
クラシカルなものは永遠だ、だったかな。
隣の席の青年に、鞄がかっこいいって褒められた時にベンが返した言葉。ちょっとうろ覚えだけど。
使い込まれた物の存在感とか、物言わぬ物が無言のままに訴えてくるなにかって、頭の隅になんとなく引っかかって、いつの間にか心の中に住み着いてしまう。
結局、今は廃版になったというベンの鞄に似たスーツケースを、同僚の青年も欲しくなって買うところが可愛い。
最初は、シニアのインターンなんてと敬遠していたジュールズが、少しずつ、ベンの気遣いや気配りに触れて距離が近づいていく。
女性と、年の離れた男性の友人関係に感じる楽しさはなんなんだろうな。
ホリデイっていう映画でも、ケイト・ウィンスレットが演じた女性の立ち直りのきっかけには、脚本家のお爺ちゃんの存在があって、彼がまた素敵だったなーと思い出したり。
映画には主演女優とその親友がいて、君は主演女優のはずなのに親友役をやっている。
みたいなことを言って、彼女を応援してくれるんですよ。
ベンが、「彼女は頑張ってきた人だ。だから彼女には幸せになってほしいんだ」と言う場面。
彼が本当にそう思っていて、仕事ではなく、心の面でジュールズの支えになってやろうと誠実に寄り添ういちいちがぐっときました。
くるよ、これは。
泣く映画じゃなかろうと思ってたけど、ジュールズの孤独や苦しさに涙し、ベンの与えてくれるやさしさに涙し、
まあ最終的には当然のことながら、
「どうしてうちの会社にはベンがいないんだろう」
問題に発展しましたが、彼のような人がいてくれたら、それに救われる若者は多いだろうなと思いました。
ロバート・デ・ニーロの未だかつて見たことのない好々爺ぷりにもおののきました。
どうしても胡散臭さが漂うんだよなあとか失礼なこと考えていましたが、
ちっとも全然、まったくそんなことなかった。
素敵な紳士でした。
そうそう、最終的にTシャツの青年は、シャツにネクタイを締めるようになりました。
あーしかしベンを得るためには起業して成功し、インターンを募集できるようにならなければならない。
遠い道のり。
来週はいよいよ岡田堂上教官に会いに行きます。
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